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暗闇を走る

夜の新幹線は退屈だ。ましてやイヤホンを忘れてた音楽に逃げることもできず、暑さと睡眠不足で削られた体力を回復するためにじっとしている。
窓に映る暗闇を眺めて、ぼんやり考えている。仕事とかそこらへんのこと。

打ち合わせ前に入ったラーメン屋が驚きの不味さだった。
せっかく東京来てペコペコのお腹にまずいラーメンは胃袋ではなくメンタルに響く。
京都ほどではないが東京もカンカン照りでスーツをきたサラリーマンが修行のように直射日光に照らされた銀座を切り裂く。

仕事が慌ただしいときは慌ただしいなりに仕事に集中しているが、
いざ、少し仕事が落ち着くと持て余す時間が増える。
時間を持て余すと割と僕はストレスなようで
ワーカーホリックとは違って、何かやったことないことをやる時間がないと不満が溜まる。

数日前、映像監督のニノさんと赤垣屋で飯を食いながら
最近のあれやこれを語っていた。
かつてのパリダカの王者の話になって、今は老いた老人のかつての風景を想像した。
詳しくはまたどこかで書くとして、僕らがもっていないものを
当時は時代の空気全てが覆っていて、ただただ純粋に羨ましいと感じた。

その時の会話や思ったことがずっと心にひっかかったまま
週末を越えて未だにそのことを考えている。
今、僕が欲しくて欲しくてしょうがないものがそこにはある。
それをどうやって手に入れるのかを新幹線の窓に広がる暗闇を見つめて、
静かに考えふけっている。

今、新幹線は静岡の闇を切り裂いて京都へと向かっている。

Subaru Matsukura

AUTHOR

松倉 早星(Subaru Matsukura)

ovaqe inc.代表 / CNTR編集長 / MNRVファシリテーター
1983年、北海道富良野生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。 東京・京都の制作会社にてプランナーとして在籍。
2011年12月ovaqe inc.設立。領域を横断した多数のプロジェクトに携わる。
http://ovq.jp/
http://subarumatsukura.com/

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