editor

曖昧なものを探して。

日が長くなり、18時といってもまだ夕焼け小焼け。
長袖では暑く、でも夜にはなるとTシャツでは肌寒い。
夕焼けの空がオレンジと紫色と、まだ名前もなさそうな色合いらが混ざり合って
家々の窓からは美味しそうな晩御飯の匂いが泳ぎ出る。

白か黒かと。
普通に生活しているとはっきりとどちらかに属してないないとダメなように
あたかも最初から世界は、そういうルールだったかのように
”どちらかであること”を強いられている感じがある。

それは実は小学校くらいからあって、
尊敬もしてない人になぜ敬語を使わなければいけないのか?
なんてことを上級生にいってはぶん殴られたりもした。
年齢が上だから尊敬しなさい、というように感じて32歳になった今でも
腑に落ちない感覚をもっている。

年下の人たちに「僕を尊敬してください」と思う気持ちもないし、
タメ語で話しかけられても別にイラっとしない。
その人と僕の関係性の中でお互い尊重し、尊敬できる側面が見つかって
初めて僕は敬語を使っている気がしている。

だから、それまでは凄く曖昧なままというか、人と人の対話になる。
うわーすげーっていうところがあって、その人の魅力に気づいて
初めて人は尊敬して、関係性が深まる。それは年上であろうが同世代であろうが、年下であろうが
そこに尊敬の念があれば敬語であるべきなのだ。

とても曖昧なことを曖昧なままではいさせてくれない状況が、
最近すごく増えてきたなあと思う。これだ!とは言いにくいけど。
そっちでもこっちでもないウロウロ迷子のような散歩のような選択というのもある。
そういうものを選べないのは、きっとどこかで誰かが苦しむと思う。

そんなことを考えている僕らがやってる会社がgreenzさんの取材を受けました。
他に取材受けているチームどれもが凄く良いポジティブな活動をしているなかに
ドロップボールみたいなブレ玉オバケが混ざっています。

一年の半分を”おやすみ”して、自社プロジェクトを楽しむ。クリエイティブユニット「ovaqe inc.」松倉早星さんに聞く、会社をパブリックにする方法 | greenz.jp グリーンズ 一年の半分を”おやすみ”して、自社プロジェクトを楽しむ。クリエイティブユニット「ovaqe inc.」松倉早星さんに聞く、会社をパブリックにする方法 | greenz.jp グリーンズ このエントリーをはてなブックマークに追加

こういう会社が、一つくらいあってもいい。
そんな気持ちで日々、仕事しています。
昔、会社に所属していたときは、関わる仕事の出来に勝負をかけてた日々ですが(今もですが)
会社というのも一つのアウトプットという存在なのだと最初に気づいて、
経営についても僕と薩川の二人の代表であーしよう、こーしようとずっと会話しながらやってきている。

ちなみに僕らがバカ稼ぎしているから、半年をプロジェクトに捧げれているわけではない。
3人という小さいチームだからできることであって、これが一人でも二人でも増えようものなら、
一気に破綻するバランスである。雇用も容易くはない。でも、会社として大きくなること=正しい成長という昔からあるような固定概念があって、正しさがある一方、得られるものと失うものがある。
これは小さいチームだから得られることがあり、失うものがある二律背反の要素だ。

小人のように小さいとフレキシブルに方向転換ができ、危険がある時はすぐに対応できる。
巨人になるとたった一歩で遠くまでいけるが、反射神経が遅くなり、フレキシブルに軌道修正できない。
まず巨人になることが難しいのであるが、僕らは大きくなる選択肢を早々に捨てている。

今まで曖昧とされてきた事柄がたくさんあって、
そういう誰も選べなかった選択肢というものを僕らの小さい規模であれば選べるのだ。
そして、危なかったらすぐに逃げ出せる。これも会社を守る大切な要素だ。

僕らの仕事は凄く曖昧な領域をフィールドとしていて、
かつ僕が扱うアイデアやコンセプトというのは、ものすごく輪郭がない不思議なものなのだ。
あれとこれの間、社会と社会の隙間、誰も歩かなかった路地。
そこで見つかる面白いものに僕らは嬉々としている。

広く世界へ視野が向かっている今、
なぜか僕らは通ったことのない路地裏で
空き地を見つけてキャーキャー遊んでいる。
そういう曖昧なところからしか生まれないものというのもあるような気がしている。

これを書いている間に空は暗くなってきた。
明るい昼間と真っ暗な夜。その二つだけではなくて、
その間をつなぐ名前もないまま存在しているものがある。
僕らの存在はとてもそれに近い。

Subaru Matsukura

AUTHOR

松倉 早星(Subaru Matsukura)

ovaqe inc.代表 / CNTR編集長 / MNRVファシリテーター
1983年、北海道富良野生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。 東京・京都の制作会社にてプランナーとして在籍。
2011年12月ovaqe inc.設立。領域を横断した多数のプロジェクトに携わる。
http://ovq.jp/
http://subarumatsukura.com/

ovaqe inc.