CNTR AWARD for New Graduates 2014 第3弾は、京都造形芸術大学の小梶真吾さんです。
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小梶真吾 / Shingo Kokaji
京都造形芸術大学 空間演出デザイン学科 ファッションデザインコース 卒業 小さい頃の夢:サッカー選手 |
―お名前、大学・学部・学科を教えて下さい。
小梶真吾です。
京都造形芸術大学 空間演出デザイン学科ファッションデザインコースに所属していました。
―卒業後の就職先、またはこれからの予定は?
パリに留学をして、服のパターンメイキング(製図)の勉強をする予定です。
―大学で主に学んだことは?
あるコンセプトが服になるまでのプロセスの踏み方、造形への導き方(?)と言えばいいのでしょうか。そしてそれに伴う専門的な技術、知識といったところです。
―卒業制作について教えてください。
——社長(貴族)も平社員(庶民)も着ているものは(パッと見)一緒の世界が訪れ、高いお金を出さずに暖かい服も笑われない服も手に入るようになった今。暇を見つけては釣りに勤しむリクリエーションの時間を大切にする紳士達がトレンドに…。
(lookbook : http://s-kokaji.tumblr.com)
初めて作ったものを販売するにあたり、あまりにもなんとなく行われている(必ずしもそれがダメな事だとは思いませんが。)、服を売る、服を買うという行為が本質的にはどの様なことと繋がっているのか、消費者に悟ってもらう必要性を感じました。今の服の消費の在り方を釣りバカ日誌のストーリーになぞらえ自分の作る服は社会でどんな役割を培うことができるのか伝えてみようと試みました。
うまくいったとは言えませんが、色々な事が分かり学生の内に取り組んで良かった思える課題でした。
京都造形芸術大学卒業制作展 (2014.2)
《服バカ日誌-baby you’re a rich man-》 (2014) – photo by Akane Yamauchi
―大学時代に打ち込んだことは何ですか。
昨年7月に二条にopenしたファッションに特化したギャラリー「gallery 110」の運営に携わらせていただいたことはとても刺激的な体験で印象に残っています。
―自分が今まで制作したもので、一番思い出深いものについて教えてください。
3回生修了時に制作したコレクション「City Mate」は誰もが持ち合わせている「地元」の街のイメージと日本のファッション誌が作る「痛いぐらい外国かぶれな」街のイメージを行き来する、フィクション、ノンフィクションどちらにでも生息可能な(まるでどこにでもあるようなコンビニやファミレスのように)互換性を持ったレディースウェアのコレクションです。
このコレクションは「gallery 110」のオープニングで展示をさせていただいたこともあってか、今迄作ったものの中では比較的多くの人からリアクションを貰えた点、そこで感じた問題が後の卒業制作に繋がっているという点で思い出深いものです。
《City Mate》(2013) joint work with Aiko Tatsukawa
Two_Two展@gallery 110 (2013.7)
―ウルトラファクトリーのBYEDITという編集プロジェクトに関わっていたと伺いましたが、そこでの活動や、活動を通じて感じたことを教えて下さい。
BYEDITは編集者の多田智美さん(MUESUM)と竹内厚さん(Re:S)がディレクターを務める、2011年に立ち上げられたプロジェクトです。僕は1期、2期と参加していました。主な活動はウルトラファクトリーの広報や独自のイベントやワークショップ、zineの企画などです。ここで教わった「編集」ですが旧字では「編輯」と書くようで、「輯」という字にはほぐす、和らげるという意味があるそうです。運動をする前、ケガをしないようにストレッチをしたり準備体操をする事で体をほぐすように、アウトプットをする前に行う作業としてどんな分野の人にも必要な行為として編集を見るようになりました。そして逆に良い物には、すぐれた編集者的な視点がディレクションされているという事にも気がつきました。
―好きなもの(音楽・映画・本など)を教えて下さい。
好きなものは年代ジャンルを問わず色々ありすぎるのですが、
最近見たものの中でいちばんは、友達に勧められて読んだ新井秀樹の漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」。
―尊敬する人は誰ですか?
1つの事に執着する事なく色んな場面で自分の事を出せる柔軟な人。
周りと独特の間合いを測って生きる人。
―大学時代によく行ったお店・場所はどこですか?
家の近所にあったレンタルビデオ屋「ビデオ1」。なんとも場末な佇まいが好きでした。
旧作14泊15日150円の「ビデオ1高野店」お世話になりました。
―これからの夢は何ですか。
好きなファッションデザイナーはたくさんいるし、勿論憧れもあるのですが、将来を想像すると自分がその地点にいる人間だとは思えずどうしたものかと。ファッションをやっている周りの同世代の人達を観ていても思うのですが、言葉が先走りしているだけで実際のところはこれまでの人たちとちょっとずれた解釈が生まれてきているような気がします。そんな時代の流れをしっかりと見極めて、そのずれがずれではなく提案できるようにしっかりと準備をしていきたいと思います。
―大学生(後輩)に向けて一言お願いします。
物事を見る時に直感の好き、嫌いも大切なのですが、それだけで終わらせず、そこから掘り下げその理由を探る事が大切なのではとよく思います。結果分からない事もあるのですがその行為は必要かと。No reasonなのはコカコーラぐらいにしておくべき、、、です。