CNTR AWARD for New Graduates 2013 第3弾は、京都造形芸術大学の仲村健太郎さんです。
仲村さんは、在学中から学生デザイナーとして活動し、主にグラフィック、エディトリアル、展覧会の空間などのデザインをされています。
―お名前、大学・学部・学科を教えて下さい。
仲村健太郎です。京都造形芸術大学 情報デザイン学科に所属していました。
―卒業後の就職先、またはこれからの予定は?
京都でフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動する予定です。
―大学で主に学んだことは?
タイポグラフィの歴史について学びました。
Clothing Japan
―卒業制作の作品について教えてください。
グラフィックデザインの批評誌『Open Press』を制作しました。8人のグラフィックデザイナーへのインタビューを中心に構成し、「翻訳的な創造性のあり方」「自主プロジェクトの眼差し」「研究的態度の実践」の3つを企画の大きな柱としています。
―大学時代に打ち込んだことは何ですか。
ウルトラファクトリーのクリティカルデザインラボでのプロジェクトに参加したり、ARTZONE(京都造形芸術大学が三条に持っているギャラリー)の広報物をデザインしたりしていました。これらの経験は、デザインの実務上で生まれるさまざまな問題について考えるきっかけになりました。
KYOTO EXPERIMENT 2012 砂連尾理/劇団ティクバ+循環プロジェクト『劇団ティクバ+循環プロジェクト』公演フライヤー
―尊敬する人、会いたい人は誰ですか?
過去のタイポグラファやデザイナーといった先達に対して意識的であり、過去と未来の間で自分の実践を適切に位置づけられる人を尊敬します。
―大学時代によく行ったお店・場所はどこですか?
月並みかもしれませんが、恵文社やガケ書房などの書店に行っていました。国内外の質の高い出版物を、京都にいながら手に入れることができるのはとても良い勉強になったと思います。またネット上のお店という意味では、海外のタイプファウンダリのサイトはよく見ていました。
『はじめは動いていた』カタログ
―これからの夢は何ですか。
「大きな仕事を手がけたい」といった野望のようなものはあまりありません。有名性を良しとするデザイナーへの価値観に懐疑的ですらあります。どれだけの人に名前が知られているかどうかは関係なく、確かな仕事を重ねて行きたいです。と同時に、クライアントワーク/自主プロジェクト問わず、デザインそのものについて考え続けたいです。それは、デザイナーの責任の範疇だと思っています。卒業制作である『Open Press』はその一つの実践です。
―大学生(後輩)に向けて一言お願いします。
大学は研究機関なので、ただ作り散らかすのではなく、さまざまな書物やウェブサイトなどのリファレンスに積極的に当たり、思考するべきだったなと大学生活を終えて反省しています。「今ここ」性のあるデザインは町を歩いたり、Tumblrを見ていたりすれば自ずと分かるものなので。
![]() |
仲村 健太郎 / Kentaro Nakamura
京都造形芸術大学 情報デザイン学科 卒業 個人サイト : Studio Kentaro Nakamura |