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CNTR AWARD for New Graduates 2013 – Vol.05 後藤あゆみ

CNTR AWARD for New Graduates 2013 第5弾は、京都精華大学の後藤あゆみさんです。
後藤さんは、アートプロデュース団体「SHAKE ART!」の代表を2年間努め、フリーマガジンの発行やイベント企画などの活動をされてきました。


―お名前、大学・学部・学科、年齢を教えて下さい。

後藤あゆみ、京都精華大学 デザイン学部 デジタルクリエイションコース、22歳。

―卒業後の就職先、またはこれからの予定は?

春からIT企業の企画部でディレクターとして働く予定です、時々デザインしたり、描いたり、なんでも屋さんになりたい(願望)。会社は世界中のイラストレーターとクリエイティブ企業と仕事をする、グローバルクリエイティブカンパニーです。

―大学で主に学んだことは?

WEB、ゲーム、イベント、グッズ、番組、映像、飲食などの様々な課題がありました。基本的に課題はチーム制作ばかりなので、毎回課題の内容によってクラス内でチームが変わり、デザイナープログラマーディレクターなど、それぞれ担当をわけて制作していました。私は大体ディレクター(企画)かデザイナー(制作)を担当していましたね、デザインも好きなのでクラス全体でイベントや展覧会をやるときは何度かメインビジュアルの制作を担当させてもらいました。

大学の課題の中でも、自分が凄く勉強になったのはWEBサービス企画と飲食店企画です。

1つはWEBサービスを制作する課題、ファッションやアニメなど、立ち上げる企画のジャンルも好きに選べてなんでもできるので、自分のチームは皆ファッションやアートフォトが好きだったこともあり 『100YEN GIRLS COLLECTION』 という企画を立ち上げ、100円均一の商品を使ってハイファッションを提案するプロジェクトを行いました。文具や家庭用品、ガーデニング用品など100円均一のカテゴリにあわせ、毎回テーマを決めて衣装を制作し撮影して、WEBサイトに写真を掲載していました。この企画を通して写真撮影、ファションデザイン、衣装制作、WEBデザイン、紙媒体のデザイン、展覧会作品制作、インスタレーション制作など1つの企画を通して様々なことに展開していけたのが楽しかったです!また衣装を着てくれるモデルの子がプロのモデルなので、どんな衣装をつくってもかっこ良く見せてくれて毎回モデルの美しさに感動していました、すごくやりがいがありましたね。

100YEN GIRLS COLLECTIONメンバー集合写真
100YEN GIRLS COLLECTIONメンバー 集合写真 (2011)

そしてもう1つは飲食店企画で、五条にあるカフェの場所をお借りして、3日間限定で学生プロデュースの飲食店を開くというものでした。こちらも他の課題同様で1つの企画に対して様々な制作や運営を行うので、会計や内装、プロモーション用のSNSやWEBサイトの制作や運営、お店のビジュアル制作、販売する食べ物の企画や料理などができて、この授業を行ったことで知り合いの飲食店関係の方から仕事をいただくことがあったりと、自分の中での広がりも沢山ありました。自分のやる気次第でいろんなことにチャレンジできて吸収できるのが凄く面白いんです。のびるかのびないかは本当に自分次第で、沢山チャンスが転がってるコースでした。

―卒業制作の作品について教えてください。

2013_京都精華大学卒業制作展出展作品
京都精華大学卒業制作展 出展作品 (2013)

私の場合は卒業制作作品の制作期間が1年間あり、2月末には京都市美術館で作品の展示を行いました。卒業制作といえば4年間の集大成。4年間のことを考えると企画やデザインがメインの作品を制作するのが無難というか妥当だと思うのですが…、私は4年間課外活動でアートプロデュース活動を行なっていて、そんなアートに関わってきたのも作家さんたちへの強い憧れや夢があったからで、4年間最後の作品は今後なかなか挑戦することができない自分のアート作品作りに取り組むことにしてみたんです。

特に4年間やってきたことでもなく、個人での作品制作なんて3年ぶりくらいで、自分自身迷いや戸惑いが沢山あったのですが。笑 不器用ながらも試行錯誤して縦3m×横8mの大型作品を作りました。最初はアプリやフリーペーパー配布などの卒制も考えたんですけどね。今後仕事や趣味でいつでもできそうだなーとも思って。

正直、自分の作品に自身もなかったので展示期間は人に見られるのが怖くてしかたなかったのですが、卒展を終えて作品を見て感動しましたって声をいただいたりとか、1番好きでしたって声をいただいて少しだけ自身がつきました。やり抜けてよかったと思います。こんな経験はもう二度とできないと思う、大事な時間でした。


2011_烏丸michikusaART(LAQUE会場)企画・デザイン
烏丸michikusaART(LAQUE会場)企画・デザイン (2011)


―大学時代に打ち込んだことは何ですか。

飽き症で打ち込んでたこともよく変わっていました。映画作ったり、映像作家になりたくてPVやCMを作ったり、広告のアートディレクター目指して毎日ポスターのデザインしたり、写真家になりたくてアー写沢山撮って回ったり、1年生~2年生までの間は、その時に良いと思ったものに直感的に走って、全力で制作していました。不器用であまり賢くなかったので自分体力の管理や調整がうまくできなくて、何でも全力でやっちゃって、よく熱とか出して倒れてましたね。笑 

そんな中でも大学生活で1番大きな経験となり、生涯続けていきたい活動だと思えたのは、アートプロデュース団体SHAKE ART!の代表を2年間つとめたことがきっかけでした。SHAKE ART!には立ち上げから関わっていて、入学したばかりの5月頃、学内だけでの生活に満足できず違う大学に刺激をくれる友達が欲しいと思っていて、その時に出会ったのがSHAKE ART!という美大生交流会イベントのチラシで、その会場で出会った塩谷さん(初期代表)や集まっていた人たちの中の数名で団体を立ち上げ活動することになりました。


フリーマガジンSHAKE ART! 全10号 (2009〜2012)

当時はデザイナーとして所属し、とにかくデザインが上手くなるように頑張ってましたね。活動コンセプトは若手アーティストや美大生を、社会と結ぶ出会いやきっかけづくり。団体の活動内容は、アート情報を掲載したフリーペーパーを4ヶ月1回1万部発行して関西関東を中心に全国に配布したり、ファッションビルやデパートで若手アーティストの作品販売やアートフェアを行ったり、デザインビジネスや現代アートの講演会、お寺での芸術祭やラジオ番組やデザイン業務など、自分たちにできることであれば何でもチャレンジしていました。

入って2年間はデザイナーとして活動して、2年生の終わり頃から2代目の代表を受け継ぎました。高校生ときからコンテンポラリーアート、地方の芸術イベントが凄く好きで、大学に入ってからもギャラリーや美術館、アートイベントなど、楽しそうなものや好きな作家さんがいれば全国どこでもはしごして見て回っていましたが、SHAKE ART!の活動を通して自分が企画するようになってから本当にアートや表現者の人達が大好きなんだなって気づくことが出来て、自分の知ってる魅力的なクリエイターやアーティストを発信して、いろんな人に知ってもらうことが自分の生きがいだと感じました。

WEBでもフリーペーパーでもイベントでも、発信できるチャンスが転がっていれば何でもチャレンジしていました。活動の幅が広がることでSHAKE ART!の枠だけでなく様々なコラボレーションが生まれ、飲食×アートやWEB×アート、地域産業×美大生など様々な仕事のお話ももらうことが増えました。いろんな分野の人と出会うことですごく刺激もありましたし、活動の中での失敗も成功も、楽しいことだけじゃなく辛かった作業も今はどんな経験もすごくためになっていたとおもいます。

企画、営業、編集、デザインなどいろんな分野を学ぶことが多かったのですが、何より大きく得たのは『気持ち/感情』の部分でした。作家さんへの愛情が、大きな気遣いや丁寧なメール、丁寧な連絡に変わるし、私自身が楽しんで取り組めてないと何かとミスが生まれたり、企画自体良い物にならないんですよね。入れ込んだ思いが大きいほど、それだけのものが自分に返ってくる。形を綺麗に見せることも大事ですが、それに込める気持ちが凄く大事だな…と。基本的なことですが、自分の好きで行ってる活動が作業にはならないようにしたいですね。

―好きなもの(音楽・映画・本など)を教えて下さい。

アイドルからパワーをもらっています、特にAKB48ですね!笑 本当に好きです、初めて会った人とかと少し会話があったまってきたら『AKBで誰が好き?』って聞いちゃいます。笑

彼女達を見てるとすごくパワーをもらうんですよね、ドキュメンタリー映画とかを見たらわかるんですが、普段キラキラしてばかりいるように見える彼女達も、ライブの裏側では過酷なスケジュールをこなし、過呼吸などになったり病気になったりと、大変な環境の中でも泣きながら走り回って沢山の波を越えていて、ステージに立つ10秒前までは倒れていたのにステージに出た瞬間笑顔で笑いながら踊っていて、すごいなあーっていつも驚かされます。分野は違いますが、年下の彼女たちには負けてられないなって。

―尊敬する人、会いたい人は誰ですか?

尊敬する人はいすぎて話しきれないです。笑 会いたい人…有名なクリエイターさんで会ってお話したい方は沢山いますが、1番は今自分の視野に入ってない活躍されてる人達と出会い一緒に何かがしたいですね!宇宙飛行士の方とか、プロ野球選手とか、島で暮らす人とか、想定外の出会いとそこから生まれる科学反応をこれから沢山期待しています。


2012_京都精華大学 2012年度大学案内
京都精華大学 2012年度大学案内


―大学時代によく行ったお店・場所はどこですか?

毎日何かと違う場所に行っていて(いろんなカフェやギャラリーを巡ったり)同じ場所に通うことがあまりないのですが、鴨川沿いは好きですね。でも鴨川沿いで止まってぼーっとするのが好きなわけではなくて。自分は京都市内は大体自転車で移動するので、四条や三条に行く時に鴨川沿いの道を通るのですが、あの鴨川沿いの道を自転車で走る時がたまらなく好きですね。季節の匂いや風がを感じる時間が凄く好きです。長時間の移動も全然苦痛じゃないです。あえて場所を出すとしたら、ANTEROOMと同志社大学の寒梅館ですがw

―これからの夢は何ですか。

若手作家や美大生、若いアートのパワーを取り入れ、様々な分野とコラボして発信できる仕事を世界的にしていくのが目標です。やっぱりメディアにすごく興味がありますね。これから時代の変化とともに新しいものも沢山出てきて自分の想像できないことが沢山起きると思いますが、そんな新たなモノコトの情報は常に入れていきたい、そしてその情報を見分ける力も一緒につけたい。これからが本当に勝負だと思います。お店でも広告でもWEBでもイベントでも媒体でも作品でも、壮大な心を持って、感じたことをそれ以上に表現できる人になりたいです。仕事はこだわりたいですが、分野などには縛られたくない。考えながら手も動かして、現場にも沢山行って沢山の人に出会って、汗を流して、良いモノも悪いモノも沢山見て知っていきたいです。


2012_京都藝術2012トークイベント
京都藝術2012トークイベント


―大学生(後輩)に向けて一言お願いします。

目指す場所や方向性にもよると思いますが『成長したい!』と思う気持ちが強いのであれば、自ら辛いことに取り組む時間も必要だと思います。自分はリーダーという立場で活動することが何かと多かったのですが、辛いことやキツイことを沢山経験しているほど、まわりを見る余裕や人の事を考える時間がつくれるようになり、相手の気持ちをより理解してあげることができるようになると思います。自分もまだまだ未熟なので、人とも事とももっと沢山ぶつかって越えていかなきゃと思っていますが。

あと、どんな人に対しても負けず嫌いであってほしいです。私はよく深夜作業している時、有名なクリエイターさんとかがTwitterとかで深夜作業しているツイートをしてると、それを見て自分も負けてられないなって思ってモチベーション上げて頑張ってます。笑 この人が寝るまで寝ないで作業するぞーとか思って、笑 そんなくだらないことでも毎日繰り返し頑張っていたら根性つきます。もちろん他のところでも負けず嫌いですよ。笑

難しいことに自ら沢山挑戦してみてください、厳しいことを越えたあとの成長した自分にあえるのがどんどん楽しくなります。

後藤 あゆみ 後藤 あゆみ / Ayumi Goto
京都精華大学 デザイン学部 デジタルクリエイションコース 卒業
大分県別府市出身 22歳
Blog : ayupy.
Facebook : https://www.facebook.com/ayupy.goto
Twitter : @ayupys

小さい頃の夢:なんでも屋さん

Hiroko Nakano

AUTHOR

中野 紘子(Hiroko Nakano)

1985年 群馬県生まれ。立命館大学情報理工学部卒業。
大学卒業後より、京都にあるデジタルコンテンツのプロダクションFLAKWORKS inc.にてエンジニアとして従事。
ミュージックポータルサイト"your unknown music."コントリビュータとしても活動中。
http://flak.jp
http://corleonis.net

ovaqe inc.